WCSJ

サンフランシスコで開催された、World Conference of Science Journalists(世界科学ジャーナリスト会議)に参加しました。データの再現性、ゲノム編集の倫理的な問題、研究成果の広報などについて。

機能の収れんと形質の多様性

テントウムシの収れん進化についての論文が出版されました。

Suzuki Noriyuki (2017) Functional convergence and phenotypic divergence in two specialist species of pine-associated ladybirds. Evolutionary Ecology, 31, 885–898.

同じ環境に生息する生物は、たとえ系統が離れていても、自然淘汰によって似たような形や行動が進化しやすいことが知られています(収れん進化)。ところがこのプロセスでは、同じ環境に生息している種類どうしに見られる形質の多様性をうまく説明できません。そこで本研究では、「生存のための機能(目的)が果たされているのなら、そのために必要な形質(手段)は拘束されない」という仮説をたて、クリサキテントウとジュウロクホシテントウを対象に検証を行ないました。両種は近縁なテントウムシではありませんが、マツ類に限定して生息しています。どちらの種類の孵化幼虫も、マツオオアブラムシをうまく捕まえることができました(機能の収れん)。しかし、そのために必要な親の投資方法や幼虫の形態は大きく異なっていました(形質の多様性)。これらの結果から、従来の収れん進化の考えが想定するよりも、形質の多様性が維持されやすいことが示唆されました。

BAS

カリフォルニア大学サンフランシスコ校で開催された、Japanese San Francisco Bay Area Seminar 2017 Annual Joint Seminarで発表しました。